101日例会(京都)の事後報告 

                              社本 雅信 報告

1.ポーランドでの国際的なコンラッド学会に、田中賢司、岩清水由美子、山本薫の三名が研究発表をおこなったことの報告が、田中賢司氏よりあった。

2.「闇の奥」の受容の歴史の簡単な報告が、中井義一氏からあり、その後、前半部のある一節に焦点を当てて意見交換をした。

3.「闇の奥」をいっそう良く理解するためには、「進歩の前哨所」を合わせて読むとよいということの指摘。

たとえば、

@ クルツを論じるには、「進歩の前哨所」に出てくる二人の白人駐在員との類似性と相違点を考える必要がある。


A「帰宅」「進歩の前哨所」「闇の奥」は執筆年代が近く、共通テーマが見出される。三作品とも、コンラッドがアフリカ・コンゴでの人道に反する植民地主義の実態を目の当たりにし、絶望して英国に帰ったあとに生まれたものである。

Bコンラッドの「個人の自由」をあくまで強調する思想と、コンラッドと同時代人のオスカー・ワイルドのエッセイ「社会主義下の人間の魂」(The Soul of Man under Socialism)との類似性と相違点。二人とも19世紀末の社会のありように閉塞感を抱いていた。オスカー・ワイルドは芸術家にとっての自由、コンラッドは一般市民にとっての自由獲得が問題であった。

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