Report on the results of gatherings:研究会の事後報告
Report on the results of gatherings: 研究会の事後報告

【2007年9・11月合併例会 (Kyoto)の事後報告】

"Heart of Darkness"とDarwin's Nightmareについて研究会が開かれた。1時間40分ほどの映画上映の後、導入者によって様々な視点の具体例とそれが透視する矛盾の数々が指摘された。

田中 賢司(海技大学校)報告 詳細

【2007年10月臨時談話会(Tokyo)の事後報告】

コンラッド研究会、10月臨時談話会の事後報告

10月17日(水曜)18:00から、当初予定していた学習院大学の会場が、学内事情で使用できなくなったので、目白駅近くのビルディングに会場を移し、東南アジア史の専門家でAustralian National University Senior Fellow であるRobert Cribb 博士を囲んで、インドネシアの歴史、国民性、民間伝承などの視点から、コンラッドの短編小説「カライン」を研究した。

参加者の感想
今日は「カライン」に書かれていることのどこからどこまでが、インドネシアの文化、慣習、歴史、宗教観、現地の人々の心理などと照らして事実に則していて、どのあたりが作家独特の発想であるかを学ぶことができて、大変有意義であった。 数多くの質問に対して博士から丁寧かつ明快な答えが返ってきたので、今後東南アジアを舞台にしたコンラッドの小説を読むときには、博士をお呼びして研究を深めることができるように思う。(社本雅信)

文学を読む上で文化人類学をどこまで参考にすべきか、という点で大変興味深いお話を伺うことができました。(奥田洋子)

【2007年10月合併例会 (Tokyo)の事後報告】

コンラッド生誕150周年記念、ロンドン大会の報告

To celebrate the 150th anniversary of the writer’s birth, the Joseph Conrad Society (U.K.) held its 33rd annual conference in London for three days from the 5th to the 7th of July. The first two days saw the conference in the building of The Polish Social and Cultural Association (POSK) at Hammersmith in the north-western part of London, and the last day saw it at the National Maritime Museum in Greenwich, a suburb of London.   Refer to the details

社本 雅信 報告   

コンラッド生誕150周年記念、ロンドン大会に出席して

社本 雅信(電気通信大学名誉教授)

田中 賢司(海技大学校准教授)

 コンラッド生誕150周年を記念し、英国のジョウゼフ・コンラッド協会(The Joseph Conrad Society)は、第33回年次大会を2007年7月5日から7日の三日間にわたりロンドンで催した。初日と二日目はロンドンの北西部ハマースミスにあるThe Polish Social and Cultural Association (POSK) の建物で、三日目はロンドン郊外のグリニッジにある「国立海事博物館」でおこなわれた。

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【2007年 5月例会 (Kyoto)の事後報告】

Lord Jimにおけるジムの二重の欲望
『ロード・ジム』における主人公ジムがパトナ号上で経験した事件を分析し、事件がジムの精神に刻んだ闇の本質を探る。ジムの告白を一種の夢の語りと捉え、その中に表現された彼の矛盾を含む欲望を明らかにしようと試みた。具体的にはジョージという登場人物に注目しつつ、「分身(Doppelganger)」に関する精神分析的概念を援用しながらテクストの解釈を行った。今後の課題は、この事件が後のジムの行動にどう影響しているのかを解明することである。

伊村大樹 報告   

パトナ号から脱出することで〈英雄〉になりそこねた一等航海士ジムが、同じくパトナ号から脱出を試みながら事故死を遂げた三等機関士ジョージに、〈英雄〉を夢見ながらはたすことのできなかった自身の〈英雄〉像を重ねる。ジョージも〈脱出〉を考えたから、船外逃亡の罪を犯した船長たちと同様に〈悪〉を象徴する人物には違いないが、とにかく「船に残った」という事実に、ジムはさまざまな思いを馳せた。
 伊村さんは、ジムの死生観をフロイトの『精神分析入門』の理論をベースにして、『ロード・ジム』の見せ場を読み解こうとした。繊細で詩的とも言える感受性が今後のコンラッド研究にどのように反映されるか、楽しみである。
社本雅信 (一人の聞き手としての)報告

【2007年 4月例会 (Tokyo)の事後報告】

『ロード・ジム』の問題点を出し合い、それについて検討をし、意見を述べるという形で研究会が進行した。

社本 雅信 報告 詳細

【2007年 3月例会 (Toyama)の事後報告】

The Nigger of the "Narcissus" におけるアナーキストの役割
帆船見学という貴重な機会をいただいたことをきっかけに、以前より関心を持っていた『ナーシサス号の黒人』中における、ドンキンのテロリスト(アナーキスト)としての描写に注目してみた。
ドンキンが作中で投げる船具「ビレーピン」に注目し、現地でその役目、形状などを確認させていただいた
上で、当時の「爆弾を投げる」テロリストと、そのジャーナリズムにおける描写との関連において、テクスト
の言語的な問題を考察した。

伊藤 正範 報告   

"The Secret Sharer" における〈罪とその償い〉
「秘密の共有者」における<罪とその贖い>というテーマ、二重身を用いた手法を指摘し、海王丸船長お
よび一等航海士のご支援のもとで、クライマックスにおける帽子が、操船という観点からどのような意義を
持つものであったか指摘し、論点を明示した。ただし、作品の描写だけではどのように操船したかは情報
が不十分であるため、引き続き資料を調査することとした。
田中 賢司 報告   


3月26日に東京地区のメンバーに発信した〈3月25日(日曜日)の地震体験〉と
一人の聞き手としての〈研究会事後報告〉 
社本 雅信 報告 詳細

【2007年 2月例会 (Tokyo)の事後報告】

今回"Typhoon"を取り上げたのは、船と海の世界に詳しい人と一緒にコンラッド作品を読む試みとしてであった。当研究会の会員である逸見真氏は、海洋大学出身で現役の船長職にあることから、逸見氏がテキスト中で注目した箇所を中心に、参加者からも疑問点を質問する形での進行となった。 詳細

【2007年 1月例会 (Kyoto)の事後報告】

Last Essays中の"The Unlighted Coast"について、田中 賢司さんより簡明に概要が紹介された。
時代背景と語り口を主にした導入であったのに対し、テキストのより深い解釈をめぐって、参加者各人より踏み込んだ議論が展開され、新しい力を感じさせる大変有意義な集まりとなった。

なお、新メンバーも迎え、会の集まりは一段と力が入った。
計画中の翻訳作業の進展や、3月の富山での例会などについて、積極的に意見が交換された。