"Prince Roman" and "The Warrior's Soul"(June 2011 in Tokyo)

設楽 靖子

“The Warrior’s Soul”は、1812年の歴史的事象をめぐって、何年か後にロシア人の語り手が同胞ロシア人に向けてロシア語で語る物語。一方、“Prince Roman”は、1831-32年の出来事を中心に、70年後にポーランド人の語り手が外国人に向けて英語で語る形を取る。ともに地図上でほぼ重なる地域を舞台にしており、その「風景」は、当該地域の自然および歴史・社会、つまり集合的記憶の有り様であり、コンラッドの個人的記憶でもある。

 

今回の参加者のあいだでは、以下の文献が紹介された。特に1と3は入手困難なものであり、こうした有用かつ貴重な文献が持ち寄られることは、少人数の読書会ならではの有り難さである。

1. Ludwik Krzyżanowski, “Joseph Conrad’s ‘Prince Roman’: Fact and Fiction,” in Joseph Conrad: Centennial Essays, ed. L. Kryżanowski (New York: Polish Institute of Arts and Sciences in America, 1960), 29-73.

2. Nina Taylor, “Landscapes of ‘Prince Roman’”, The Conradian 15, no. 2 (1991), 33-67; repr. in Joseph Conrad: Critical Assessments, ed. Keith Carabine, vol. 3.

3. 朱牟田夏雄他編注Prince Roman and To-morrow. 金星堂, 1959.

次回10月の読書会では、今回の2作品と関連の深いA Personal Recordを扱う予定である。

 

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